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かなたの記憶 |
七月、文月。八月葉月。
季節の移ろいを表わす二十四節気では、夏至、小暑、大暑として夏の季節を迎える。そんな夏の日の遠い記憶が、つい先日、あるテニスの動画をYou Tubeで見ていて、突然蘇ってきた。
「コーチ、お母さんに言って下さい。これからもテニスが出来る様に」。大学でテニスをしていたわたしは、当時、地元のテニスクラブの要請もあって、ジュニアのコーチをすることになった。夏の大会も押し迫ったある日、丸い顔の少年は涙ぐみながら訴えた。
話しを聞くと、その少年の父親は、事業に失敗して行方不明。大磯にある母方の実家を頼って引っ越すとのこと。夏の大きな大会への出場を目指して今まで一生懸命練習し、その大会への出場切符を得る試合まで、あともう少しだから、とその少年の母親を説得し、少年もいくつかの条件を守ることを約束して許可を得た。
試合当日。毎日、授業が終わってから、自転車で藤沢まで練習に参加したその少年の思いは実り見事な勝利。「コーチ、勝ちました!」と吹き出す汗もぬぐわず、日焼けした顔を紅潮させながら駆け寄ってきたその少年を見て、こちらも嬉しくてつい涙ぐんでいました。
人には今しかできないこと、今やらなければならないことが一杯あります。少年の時にしかできないことは、今はもう出来ません。
緊急事態宣言があけて、お客様や当社の営業所をまわれる様になり、お客様や社員と話す機会が増えました。期待や不安の声を耳にして、今しかできないこと、今やらなければならないことが、今の自分には一杯あると気づかされます。
人間の幸福度について国連は「良い暮らしの要素を決めるのはあなた自身です。」と表現している。まさにその通り。「あの日」少年は、自分自身でテニスの大会に出ることを決めた。少年が自分のやりたいことを自分の意思で決めた様に、わたしも今の自分にしかできないこと、やらなければならないことを、信念を持って取り組みたい。
突然蘇ったかなたの記憶から、今の自分の決意を重ね合わせることができた貴重な瞬間でした。
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茨城営業所、新規設備導入 |
今年6月に生産能力増強の為に、新設備を1台導入致しました。
メーカーはシチズンマシナリー、バーフィーダー付CNC自動旋盤「M20Ⅲ」、加工径はφ5~φ20、くし刃回転工具にB軸、タレット刃物台にY軸、背面刃物台にY軸を搭載し、複雑形状加工に幅広く対応した機械となっており、既存の設備では今まで対応出来なかった加工も出来る仕様となっております。
この設備を武器に、更なるお客様のご要望に応えられる技術・品質・生産性を高めて参りますので、今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。
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茨城プロジェクショングループ マネージャー 大井 信 |
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