特殊鋼の知識
機械構造用合金鋼
 今回は機械構造用合金鋼について説明しよう。特殊鋼(炭素鋼)の基本元素は、C、
Si、Mn、P、S、の五元素からなっている。この五元素に特殊元素、Cr、Mo、
Niなどが入った鋼を合金鋼と言う。炭素鋼に特殊元素が入ると、硬く焼きが入ると思っている人もいるが、合金鋼に関しては、CrまたMoが入っていいようが、炭素量が同じであれば、焼き入れの硬さは変わらない。では、何のために合金元素を入れるのか?炭素鋼では得られない、粘り強さ、硬さ、耐磨耗性、引張強度などが増すために利用されるのです。また、鋼材が大きい(径が太い)と、炭素鋼では充分に焼きが入りにくいので、合金元素を入れることで、焼入性(焼きが深く入る)が増すので利用する。
私は、炭素鋼に、この合金元素を入れることを、(スパイス)と言っている。例えば、我々の食生活でも、このスパイスを入れることで、その人の好みの味が得られ、美味しく感じられるのと同じで、炭素鋼にスパイスを入れることで、鋼の機械的性質が向上するのです。機械構造用合金鋼は、強靭鋼と肌焼鋼の2種類に分けられます。例えば、SCR415、SCR420、SCR435、SCR445、SCM415、SCM435、SCM440、SCM445の場合、この規格の下2桁の数字は、炭素量を表わしています。従って、SCM415の場合、炭素量の中心が0.15であり、規格では、0.13~0.18となります。

 合金鋼は、一般的には下記のように言われています。
  炭素量が、0.25以下のものを肌焼鋼と言う
  炭素量が、0.26以上のものを強靭鋼と言う
  
肌焼鋼は、表面だけを硬化するため、浸炭焼入、焼戻を行い、耐摩耗性と、耐衝撃性が同時に要求される部品に使用されます。
強靭鋼は、いかなる場合でも、焼入、焼戻を行うことが条件となる。焼入、焼戻を行うことで、著しく、粘り、硬さ、耐摩耗性、引張強度などが必要な部品に利用されるのです。

合金鋼は熱処理することで、機械的性質が得られるのです。熱処理をして使いましょう。