特殊鋼の知識
精密素形材製造法(2)

 前回に続きニアネット製造法のうち粉末冶金製品について紹介します。最近のアトマイズ(Atomize)製造技術の進歩によりチタン、アルミ、希土類など活性金属の合金粉末製造が可能になり、これらの製品が市場で見られるようになりました。
従来の焼結品粉末からMIM(メタル・インジェクション・モ−ルディング)用粉末まであらゆる材質の粉末が供給されています。とくに焼結部品の機能を高めるため、高焼結密度、高流動性にすぐれた造粒粉が市場から注目されています。
高焼結密度用は通常粉末(100メッシュ アンダー)にMIM用粉末(5〜50μ)を混合し造粒したもので、通常粉の スキ間に微粉が充填されるため圧 縮性がよく高密度が得られます。微粉混合率と成形圧力によりますが相対密度約95%となります。高密度品はメッキ、レザー溶接が可能となるため、光部品で 実用化されています。(インバー、 コバール、ステンレス) 

@ 粉末焼結(Sintering)

 生産性が高く大量生産に適しています。とくに機械部品小物は昔から多用されており、鉄系はJIS SMF1〜8種、ステンレス系SMS1〜2種が規格化されています。
アトマイズ粉は100メッシュアンダ-(150μ)で平均75〜80μが適用されます。
焼結密度が低い難点がありますが自己潤滑性を持ち、 耐磨耗性にすぐれます。
この性質を利用した含油軸受(オイレスベアリング)は昔から広く使用されています。 

用 途  機械部品 →  エアコン、OA機器、自動車
軸受け   → 家電機器モータ、一般産業機械(無給油運転)

最近では機能部品」の軟磁性材(純鉄、けい素鉄、パーマロイ)、非鉄系のアルミや半導体素子ヒートシンク(銅-タングステン)など用途が広がりつつあります。

A MIM(Metall Injection Molding)
 1960年代米国NASAで開発された金属射出成形法は複雑形状(三次元)が可能という特長から現在では炭素鋼から高合金、チタンまであらゆる金属の 製造が可能になりました。この製法はプラスチック射出成形と粉末冶金がドッキングしたもので焼結や  精密鋳造に比べて次の特長があります。
形状の自由度 三次元形状でかつ小さな穴、袋穴、薄いもの、シャープエッジが可能。
品質 高密度のため強度が焼結より高く、精鋳品と同等で寸法精度が良い。
この製法の利点は適用材質が広くステンレス、高合金、工具鋼、低膨張・封着材のインバー、コバール 軟質磁性材パーマロイ(PC、PB)、パーメンジュール(Fe-Co)などエレクトロニクスや光通信分野での需要が多い。