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精密素形材製造法(1) |
機能製品のコストダウンをはかるため部品機能にマッチした例えば、要求仕様を満足させ、しかもコスト的に有利な製造法を選択することがポイントとなります。さらに使用される材料が適材質であるかどうか合わせて検討することが大事です。
製造法を選択する場合 切削加工がベースになります。先ず対象部品の ①形状が複雑で、切削加工に問題がある場合 ②材料が難切削材質で加工費が高くなる場合ニアネットシェイプ化の選択肢を考えます。
トータルコストの見直し
ニアネットシェイプ製造法のコストダウンの柱は
① チップレス化:切り粉を出さない
② 黒皮(肌)で使用できるところは加工を省く:機能の見極め
③ 複雑部品の一体化や分割化:作り易くする
ニアネット製造法の種類
代表的製造法 鋳造、粉末冶金、鍛造について最近の技術を紹介します。
1. ロストワックス精密鋳造法
(1)特長
・複雑な三次元形状が可能
・難切削、難加工(塑性加工)材が可能
・真空鋳造で超合金、電子材料まですべての製造が可能
(2)最近の技術
鋳造法は鋳型に溶湯を上から注入する重力鋳造が一般的ですが、これに比べ鋳型を減圧して吸引鋳造するCLA法、CLV法(大同特殊鋼)は湯回りが良く複雑形状、肉薄製品に効果があります。ブレード(ターボチャージャー羽根)では0.3mmの実績があります。
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この原理を応用してシェル型や砂型に減圧吸引するCLAS鋳造法があります。ロストワックス法より大型品に適用されますが、最少肉厚2mmが可能で薄肉のエキゾーストマニホールド、タービンハウジングなどエンジン部品で注目されています。
またこの製法はチタン精密鋳造にも応用され製造コストを大幅に削減できるため、最近ではチタンの軽量、高耐食性、生体適合性、非磁性の機能が活かされる分野に期待される製品です。 |
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