特殊鋼の知識
低膨張材料

 ガラスやセラミックなどと融合させる金属材料は一般に封着材料と称され、相手材料の線膨張係数が近似してることが第一条件となります。まだ濡れ性が良く、密着して気密性が優れていることも必要です


 知名度の高い低膨張材料として、インバー合金があります。Fe(鉄)にNiニッケル)を34〜36%合金すると線膨張係数が極めて小さいことを1896年フランスのギョームが発見しました。インバーは室温で線膨張係数が、1〜2×10-6/℃で炭素鋼の11〜12×10-6/℃、SUS304、SUS316などオーステナイト・ステンレスの16〜17×10-6/℃にくらべと、如何に小さいかうなずけます。精密測定機器、精密機械部品、工作機械などにも使われます。またクラッド(合わせ板)されたバイメタルへの応用はヒット商品となっています。なおインバー系合金の改良型でCo添加のスーパーインバー(Fe-32%Ni-4%Co)は線膨張係数がさらに小さく、0〜1×10-6/℃となります。

 用途により高耐食非磁性インバー(Cr-Fe-Mn)や、引張り強さ1180N/mu(120kgf/mu)の高強度インバー(Fe-38%NiCoTi)など開発されています。
封着材料では鉄-ニッケルコバルト系のコバール合金(Fe-29%Ni-17%Co)が良く知られています。硬質ガラス、水晶振動電子、セラミック封着用に広く使用されます。
その他、鉄-クロム系27%クロムや18%クロム-Ti 添加合金は変態による熱膨張の変移点がなく、600℃までの高温用として使用されます。