特殊鋼の知識
カラーステンレスの製造について

ステンレス鋼に色を着ける事が出来、カラフルな鉄が始めて登場した。色を着けると言っても、外からペンキなどを塗るのでは無い。ステンレス鋼にはクロムが含まれている事を利用して鋼の表面を酸化して、クロム酸化物の薄膜(10ミクロン以下)を形成させ、その薄膜の干渉色を利用する。従って薄膜は均一でないと色むらの原因となる。クロムと硫酸の混合溶液に浸漬する時間を変える事に因って青色(15分)、金色(18分)、赤色(20分)、緑色(22分)などの色をステンレス鋼に着ける事が出来る。着色は干渉色なので幻想的で、新感覚である。この着色ステンレス鋼板は現在、市販されビルの扉板、エレベーターの扉板、バスタブなどに使用されている。開発当初は、着色層が機械的強度が悪く、傷つきやすかったが、現在では改良され実用に足りる強度を確保した。ステンレス鋼板を着色するには次の様にする。鋼板コイル70℃から80℃に加熱したクロム酸と硫酸の混合溶液中に、一定時間、連続的に浸漬し、次の槽で酸化処理(着色液より硫酸濃度が低いクロム酸混合溶液中に浸し、電流を通して陰極処理する)し、乾燥する。事前に上記の混合溶液が作用しないような部分を板面につくってから浸漬すると模様を着ける事が出来る。